スキミング

靴だけが唯一のともだち。
花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ
出会いあれば別れあり/形あるものいつか壊れる

上から寺山修司井伏鱒二。大阪の我が家の家訓。
どれもがおそらく初出の引用ではなく、あくまで私が知った出処だけど。


ファーストフード店で母が以前、煮詰まった鍋の底をかき集めて出されたスープに激怒したことがあった。「これはスープとは言わないでしょ」と店員に詰め寄って。

月曜日からのたった5日のあいだに煮詰まっていたみたい。
たんすに眠る着物のように、自分の気持ちも和紙にくるんで引き出しにしまえたらいいのに。
できればスキミングなどされることなく。