臨場感

思い出したことがあったので今日もしつこく大相撲観戦記。
昨日、生で見ているのにいまいち臨場感がでてこなくて、友達とぺらぺらしゃべりながら観ていたのも一因だったかもしれないけれど、別に思い当たる理由があった。

それは、なぜだか土俵の音をマイクが拾っていたこと!

関取が拍手をうつ音とか、四股を踏む音が明らかにマイクを通じて聞こえてくるのだ。「生」の音ではなく。これは興ざめ。いくら2階席だって土俵上の音が聞こえるときは聞こえるだろうし、それに砂かぶりの席のひとなんてマイクを通さなくても絶対に耳に届くはず。

はじめは友達と、「何なん? 行司の軍配にちっちゃいマイクつけてるんかなー」「俵にマイクが埋め込んであるんちゃう?」などと言いながら面白がってたけど、時間がたつにつれてあれは納得できない、と思う。

アメフトだってラグビーだって、あのぶつかるときのガツンって聞こえる生身の音こそがどきどきさせられるものなのに。スタンドの前のほうに席をとると、グラウンド内で指示を出す声が聞こえるからそういうのを楽しんだり、逆にあえてスタンドの上の方の席に座って全体を眺めるのを楽しんだり。

一律にマイクで音を拾ってスピーカーから聞かせるなんて。
やっぱりテレビ中継用なのか。バレーボールもテレビ中継用に選手の声を拾う試みがあったように思う。

もしファンサービスだとしたら、逆効果(少なくとも私には)。直接会場に足を運ぶひとの声を優先すべきとは思わない。でも、大切にしていいものは確かにあるから。

先日久々に映画を観た。これは原題、Dirty pretty things のほうが伝わってくる。
"I love you" が日本語になっててよかった。もしもあの場面で、「愛してるわ」って書かないといけないとしたら……、と思わされる場面があったから。