歩み

とても傲慢な言い方で嫌なのだけど、でも、ひとつだけ自分に力があるとすれば、それは人に恵まれる力だと、昨年から改めて強く強く思っている。
裏切れない人リストがまた増えたな、って。それは嬉しいこと。ありがたいこと。

そして一方で私のモットーは「人生プラスマイナスゼロ」なので、自分の幸運をかみしめる端から、なんだか次が怖いという……。

仕事を辞めたら、もう誰からも相手にされることはないんじゃないかと正直今でも怖い。でも、仕事で相手にされることなんてほんとにわずかなことで、それに私じゃなくても代わりはきくはず、でもそんなことはなるべく思わずに、自分じゃなきゃだめなこともある、と言い聞かせてきた。

会社名や肩書きなんていらないと口にしてきたくせに。

やっぱり人と関わりあいたいんだなあって。
ひとりになりたいわけじゃない。誰かと言葉を交わしたい。直接的であっても、間接的であっても、たとえば「きっかけ」のようなものであっても。一方通行じゃなくて、垂れ流しじゃなく。

ひとつ違いの弟が、20歳になる直前に猛烈に焦っていたことを思い出す。それはもうほんとうにどうしたんやろう、と思うくらいに。

次の一歩は、また来たるべくして来た一歩なのだと信じて。
何年かのちには、この文章を目の前に赤面する日もあると信じて。