近所の火事

今日はただでさえ思いがけないことがいっぱいあって一日頭のなかがいっぱいだったのに、遅くに夜ごはんを食べ終えたら今度は家の近所で火事が起きた。

消防車のサイレンが家の近くで止まったので慌てて窓を開けると近所のひとがわあっと集まりだしていた。
思わずコートをひっかけて外へ。

消防車のホースは入っていたけど、火元への対応で精一杯みたいで、隣接する家のひとが自分の家へ火が移ってくるのを必死で守っている。「天袋から煙がでてる……」ということで「消火器もってきて」「消火器もってこい!」という声にアパートに駆け戻って2階、3階、4階と設置してある分を全部持っていく。ホースとバケツも持っていった。はっきりいって火の手は消火器で太刀打ちできるくらいのものではなかったけど、ドキドキして真剣だった。

私の住んでいるアパートは平成元年の建物で割りと新しい。でも、まわりは古い町だったことに改めて気がつく。
井戸水がでてくる水道があったし、地元民という風情の近所のひとがびっくりするくらい集まってきたし、途中で「しっかりせい小石川!」とおじさんが消防隊に向かって叫んでいた。「あ、小石川って火消団の・・・」と私はここに住んで2年、いまさらながら地域性に気がついて不謹慎ながらこれはちょっと笑いそうになってしまった。

ようやく消火のあとがみえて帰り道、アパートの隣の酒屋のおじちゃんとおばちゃんに出会った。酒屋の店のなかを無人にして、火事現場に飛んでいってたみたい。ヘルメットまでかぶって、酒屋のドアは開けたまま……。けっこう長いあいだ無人だったはずだけど、どうやら泥棒なぞは入っていないようで、いろいろと「ご近所」を感じた数時間だった。

救急車の出動はあったけど、ひとりが担架に一応のっていたくらいで落ち着いていた様子だったので、ちょっとほっとしている。