渦巻く

「A」と「A2」を観た。
事件後のオウム真理教を、森達也さんが撮ったものだ。
どんどん、どんどん、のめり込んだ。
「A」だけだったらよかった。
「A2」を観終わったいま、心が飛びそうになる。

救いがなくて、それはオウムの信者にとって救いがないという意味だけではなくて(いや、もしかしたら彼らにはあるのかもしれない)、「現世」日本の社会に救いがなくて。どこかにはあるのかもしれない。でも、私たちはそれを拾っていないし、手のひらの中からもますますこぼれている。

武田さんが書いてらした、
『私たちはいま歴史の転換点にいる』
という思いがこだまする。


森さんがいて、森さんの作品があって、先日『弟を殺した彼と、僕。』を読んだ。村上春樹がいて、村上春樹は神戸出身とつい最近知った。

めまぐるしくいろんな事象があって、確かにつながっているものをまだうまくつなげられない。

でも、社会に融和はないと思う。共存を信じたい。
アメリカは人種のるつぼ(melting pot)ではない、サラダボウルだ、と大学時代に聞いたフレーズをふいに思い出す。